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BOOKS


本を読むのが好きです。本格的に読み出したのは、中学生の頃。
高校生から大学生の間は日本の純文学ばかり読んでいました。
当時は好みが偏っていましたが、今は何でも読みます。
(でもその代わり、今は「これだ」というものに中々出会えません)
ここでご紹介する本・作家の大半は、当時夢中になっていたものですが、
現在も愛読しているものばかりです。


◆本◆
作家名 タイトル コメント
谷崎 潤一郎 『陰翳礼讃』 日本古来の陰翳の美しさを教えてくれた本。今の日本の家に普通に灯っている、白々とした蛍光灯の光が大嫌いな私は、「そうだよ、そうだよ!」とうんうん頷きながらこの本を読んだものです(笑)。余談ですが、吸い物椀について書かれているくだりがたまらなく好きです。(とても美味しそうなの!)
林 真理子 『葡萄が目にしみる』 主人公の気持ちが痛いくらいに実感できたせいか、かなり感情移入して読んだ記憶があります。十代の頃を思い出して、ほろ苦いような気分に浸れる本。
ジャック・フィニィ 『ゲイルズバーグの春を愛す』 海外文学嫌いの私が唯一好きな本です。ファンタスティックなお話なのですが、ウソくさく思わせないところもいいです。それと、全体に漂っているノスタルジックな雰囲気も好き。
吉原 幸子 『吉原幸子詩集』 所持しているのは思潮社の現代詩文庫シリーズで、彼女のいくつかの詩集が収められている本です。旧仮名づかいがおどろおどろしい雰囲気を醸し出しています。彼女の詩からイメージされるものは、傷や血、情念といった、女であるがゆえの生々しいものなのですが、何故かそれが甘美なものに思えるのが不思議です。
クラフト・エヴィング商會 『どこかに○いってしまった○ものたち』 私がいかにも好みそうな感じのものが、これでもかというほどいっぱい詰まった本。遠い昔、本当にあったのではないか?と思わせる不思議な品がたくさん載っています。そのどれもが「今は存在しない」という設定なのもステキ。空想力をかきたてられます。
志村 ふくみ 『一色一生』 染織家によるエッセイ集。これを読んで植物染料の奥の深さを初めて知りました。単なる表面的な色だけではなく、その植物の生命にまでも思いを馳せる、その姿勢に静かな感動を覚えました。読んだ後、静かで穏やかな気持ちになれる、そんな素敵な一冊です。
森 茉莉 『私の美の世界』 独特の美意識で衣食住への拘りが綴られたエッセイ集です。この人の書く、濃厚でバタくさい雰囲気の文章がとても好き。この本からは多大な影響を受けました。私が「生活をする」上で大切にしている事の多くは、この本から学んだ事だと言っても過言ではありません。それと、批判をしている時の辛辣な語り口も、小気味よくて好きです。自分の気持ちを代弁してくれているような感じで(笑)。
松本 修 『全国アホ・バカ分布考』 友人が「これ面白いで」と、図書館で借りた本を又貸ししてくれたのが始まり(笑)。結構分厚い本だったのですが、日本の方言について興味深く書かれていて、貪るように読みました。「アホ」とか「バカ」とかいう、身近な表現の言葉に限定して分布調査を行ってゆくというのが面白かったです。日本の方言の奥深さ・素晴らしさに気付かせてくれる本。


◆作家◆
作家名 コメント
夢野 久作 友人に薦められてハマってしまいました。難しそうだというイメージに反して大変読みやすく、独特の語り口にすっかり惹きこまれました。長編の『ドグラ・マグラ』が有名ですが、私は短編の方が好き。
渦巻く狂気、現実をも歪めてしまう強迫観念の世界に、読んでいてふと、自分が自分でないような、不安な気持ちになったりします。が、これが不思議と快感で、やめられません(笑)。
三島 由紀夫 兄の本棚に並んでいた、『仮面の告白』。中学生の私は、見てはいけない本だと何故か頑なに思っていました(笑)。その禁を破って頁を開いたのは高校生の時。・・・衝撃的でした。例えば主人公(男性)が強く逞しい少年の腋毛に目を奪われる場面。それが目も眩むような絢爛な文章で淫靡に美しく彩られているのです。今まで知らなかった世界に圧倒されました(笑)。
以来、すっかりトリコになってしまい、新潮文庫のものは学生の頃に殆ど読破。一番好きなのは『真夏の死』という短編集です。夏になると読み返したくなる一冊です。
稲垣 足穂 書店で何気なく手に取って、「好みかも」と思って買ったのが足穂との出会いでした。最初に読んだのは『一千一秒物語』という短編集。タイトルも、「月光密造者」「星を食べた話」などなど、いかにもそそられる感じです。といってもロマンチックという感じではなくて、どちらかというとお茶目な感じがすっかり気に入ってしまいました。香り高い珈琲、或いはシガレットのような味わいのある佳品です。
他に読んだのは、『ヰタ マキニカリス』『少年愛の美学』『天体嗜好症』と、まだこれだけですが、すっかりお気に入りの作家の一人になっています。他の作品もこれから是非読んでみたいと思っています。
長野 まゆみ 高校生の時、デビュー作『少年アリス』を友人が貸してくれたのがきっかけでした。単行本の帯には「群青天鵞絨色のメルヘン」と記されていますが、まさにそのような感じでした(メルヘン、というのは少々しっくりきませんが)。ノスタルジックな雰囲気なのに、今まで見た事も無いような新しい感覚で、一気に魅了されてしまいました。また、この人の使う日本語(特に漢字や言い回し)の美しさに、感動すら覚えたほどです。
以来10年以上、彼女の作品はずっとリアルタイムで読み続けています。所持している本も65冊を超えました。その殆どが単行本というのが密かな自慢です(笑)。現代作家の中でここまで長く愛読している作家は他にいません。
ただ最近は、初期の頃に比べて作風も大分変わっていまして、ここ数年の路線はちょっと食傷気味な面もあります。でもこれからどのようにまた変わっていくのか? それを見届けたくて、私はこれからもずっと読み続けていく気がするのです。


◆コミック◆
作家名 タイトル コメント
吉野 朔実 『少年は荒野をめざす』 高校生の時に多大な影響を受けたコミックです。多感な十代の心理が文学作品のように美しく繊細に描かれていて、吉野ワールドの魅力が存分に味わえる作品。私の青春のバイブルであります(笑)。
鳩山 郁子 『月にひらく襟』
『スパングル』
幻想的でノスタルジックな世界を味わえる短編集。繊細で硬質な線で描かれた少年たちの、美しく危うい魅力が味わえます。散りばめられた言葉も詩のようで素敵です。
ますむら ひろし 『アタゴオル玉手箱』 猫と人間が織りなす、ほのぼのとしたファンタジーです。主人公のヒデヨシ(猫)のハチャメチャぶりが笑えます。心和む上質のメルヘンです。
大和 和紀 『ヨコハマ物語』 小学生の頃に愛読していた漫画ですが、今でもふと読み返したくなるお気に入りの作品です。文明開化の明治時代を舞台に、対照的な2人の女性の生き方を描いた、ドラマチックな物語です。これを読むといつも勇気が湧いてきます。
山岸 涼子 『日出処の天子』 既存の聖徳太子のイメージを、良い意味でことごく打ち砕くお話。“歴史上の人物”という概念は読み進むうちにすっかりと消え去ってしまいます。壮大な物語です。読了後に残る切なさがたまりません。
小沢 真理 『プラチナの朝』 描かれているインテリアや主人公たちのファッションがオシャレで、当時とても憧れていました。10年以上経った今でもその印象は変わりません。ストーリー自体は「いかにも少女マンガ」という感じなのですが、それがまたいいのです。
小椋 冬美 『天のテラス』 ロマンチックなお話がいっぱい詰まった短編集です。まるでお洒落な映画を見ているような気分にさせてくれます。読むと幸せな気持ちになれます。
浦沢 直樹(画)
勝鹿 北星(作)
『MASTERキートン』 とにかくストーリーが面白くて、一気に読めてしまう作品です。読んでいくうちにさまざまな豆知識を得られるところも魅力のひとつ。主人公が一見冴えないのに、実はすごい経歴の持ち主であるというのがステキ(笑)。


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